Ryotabi

大学生のユーラシア横断紀行やインド紀行

コルカタと詐欺師と酒

インドの大都市コルカタ 、言わずと知れたサダルストリートで詐欺師と酒を飲みに行った話です。

特に有益な事を教えるわけでも、誰かが不幸になる話でもなく、体験した事をそのまま記したたけです。

今回の話はあくまで一例であり、何も被害に合わなかったのは偶然です。「ラッキー☆」と楽観視するのではなく自戒としてちゃんと記事に残そうと思います。

インドは大好きな国ですが、皆さんもお気をつけください。

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インド東部最大の都市・コルカタのサダルストリートはバックパッカーが集まる安宿街。 

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インドの観光地と言えば、日本語を巧みに操るインド人

もちろんお金目的がほとんど。

過去にデリーやジャイプールに行った際も沢山話しかけられた。

 

そしてここは"サダルストリート 詐欺"と調べれば、いくつも情報が出てくるほど。

 

 

別の場所に泊まっていたので、ちょっと行ってみようと思い「怖いなぁ怖いなぁ」と稲川淳二っぽく歩いていると。

 

 

やぁ!日本人?オレ日本語しゃべれるよ

 

 

日本語ペラペラインド人来たーーーー!!!!

 

 

さっそくだ。

普通に会話出来る位の日本語力。見た目は小柄な25歳くらいの兄さん。

 

 

ネット情報だと、ここのインド人は結婚式があるから一緒にガヤにある田舎へ行こうと誘ってくるとのこと。

 

僕は現地人に話しかけられても面白いから特に無視しないので、少し立ち話をしていると彼が一言。

 

 

結婚式があるから一緒にガヤにある田舎へ行こう!

 

 

そのまんまーーーー!!!!

 

 

すごい、全くおんなじ手法だ。

 

 

さらにネットによると詐欺師の名はサダムというらしいので、名前を聞いてみた。

 

 

名前?サダムだよ

 

 

ご本人登場ーーーー!!!!

 

 

一発的中。すごいよコルカタ。すごいよネット情報。彼の名前は有名宿サンタナの情報ノートにも載っているとのこと。

 

そりゃもちろんガヤには行きません。

てことで断ると、意外とすんなり了承。

 

間髪入れず「そこのマーケット案内するよ」と言われ「ガイド代払わないからね」と伝えてもふたつ返事で、ただただ案内してくれました。

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案外あっさりしてんだね〜と思っていたら「バーに行こう」と誘ってきました。

 

いいやこれは流石に嫌なことになりそうだな。

酔わせる気か?

睡眠薬か?

店もグルか?

 

さぁ帰ろう。

 

 

とか言っても飲んじゃうんですよね〜〜〜。

 

 

自分の軽さと言うか、簡単に人と馴れ合ってしまうのは本当に馬鹿らしいなと、これを書きながらひしひしと感じている。過去にこれが原因になって海外で嫌な思いしたことあるのにさぁ...。

 

いやまぁ取り柄だけれど。(←こう言う所)

 

 

しかし、飲みに行くことにしたのも理由があって。

僕と一緒にいるとき急に通りがかった西欧人に話しかけ

ヤァ!元気かい!

うお!昨日のYouじゃん!元気元気〜、コルカタエンジョイしてるよ。そろそろ違う街行くけど!

と会話してたので完全な悪人ではなさそうかな、と。いや根拠よわっ。

 

でもちゃんと気は引き締める。バックには南京錠をかけ、「割り勘だよ」と確認して向かいます。

 

 

着いた先はサダルストリート近くの普通のバー。他のお客さんもちらほら。

警戒しつつも、お互い同じ瓶からビールを注ぎ、一口ゴクリ。

 

 

やっぱりビールはうめぇんだ。

 

 

彼曰く、こうやって外国人と飲みに言ってるから街中のバーを知ってるとか。

そして日本語は日本人旅行者から学んだとのこと。

 

 

楽しく飲んでいると、近くのガラの悪いおっちゃんが「お前日本人?」と。

 

ビックリ。関西のおっちゃんに話しかけられたのかと思いました。

が、彼はインド人。関西弁を話すガラの悪いインド人。

 

家族写真も見せてもらったのですが、彼は関西人の日本人女性と結婚していて、可愛い娘さんもいる。なるほど、だから話せるのか。語調は強いもののスピーキングもリスニングも完璧。なんなら日本社会の悪いとこなどもバシバシ言ってくる。

 

 

しかしふと目をやると、最初に話しかけてきたインド人兄さんがバツの悪そうな顔をして、全く喋らない

 

暫くしておっちゃんと2人で外へタバコを吸いに行った時に彼が言いました。

あいつ(インド兄さん)、お前のことどうにかして田舎に連れてって金取ろうとしてるで。俺の方が日本語上手いから戸惑ってるんや。

 

Wow。

まさかのインド人同士での密告。

 

やっぱりそうだったんだ...。

しかしおっちゃんと兄さんがグルの可能性も大。気は抜けない。

 

再び店内に戻り、お会計。ちゃんと割り勘。

 

するとおっちゃんが

さ、別の店で飲むで!久々の休日やねん

と。

僕のエセ関西弁は置いといて、飲み直すらしい。

 

しかしインド兄さんは「俺いいや」と言って帰りたがってる。

 

いや2人でいる時めっちゃ飲みたがってたじゃん!露骨露骨ぅ!!

 

おっちゃんは「ほっとけばええねんあいつは」とか言ってたけどなんだかんだ3人で再び飲むことに。

 

 

次に行った所が本気で怖かった。

 

市バスで少し移動して向かった先は飲み屋ではなく、ただの部屋。

裸電球と椅子しかない場所だけれど、すでに先客が何名か飲んでいた。

 

雰囲気に飲み込まれそうで酒なんて飲み込めたもんじゃない。

おっちゃんは人柄的になんでも言える感じだったから、行きたくないならそれを伝えるつもりでもいた。

 

でも「ドアもないし、通りに面しているから大丈夫かな」と思って飲みはじめちゃいましたね。

 

本当にウスラトンカチだな自分と再び認識しております。今無事だからこそ面白可笑しく書いてるけど実際はかなり警戒してましたし、怖かった。普通は警戒してる時点で行かないべきだけど。

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なんだかんだ2時間くらい談笑。いやいや結構呑気に飲んでんなぁ!ってツッコんでほしい。

しかし慣れてるとなんだかこじんまりとした感じが居心地よかった。

それと、気を許してしまった点が2つあって。

 

1つはLINEを交換したこと。

 

2つ目は奥さんからしきりに電話がかかってきてたこと。この夜の飛行機で家のあるデリーから友人の結婚式の為にコルカタへ飛んでくるらしく、その連絡だった。おっちゃんと奥さんは日本語で会話してて、僕も少し話させてもらった。

 

これらの事があって、おっちゃんのことは特に疑わなくなった。

 

しかしその間インド兄さんはと言えば、相変わらず大して喋らず飲まず。

 

途中おっちゃんに「マリファナ買いに行かないか」「マリファナより強いシヴァってのもあるぜ。破壊神のパワーやで」と誘われた。

 

それは流石にお断り。シヴァパワーてどんだけの快楽だよ。

しかも1人2000ルピーだとさ。マリファナの相場分からないけど余りに高いよ。

おっちゃんは「日本人いっつも金ない金ないばっかやんけバカタレェ」だって。ウケる。

 

 

結局、楽しく解散。緊張してたのでお酒は全く回らず。

 

おっちゃんと別れた後、兄さんと2人で少し歩いて帰っていた。

 

すると

昔はよく日本人からお金を取っていた

 

「でもそれは弟と妹を養うためだったんだ」

 

と突然の自白。

 

続けて

「僕のことが詐欺師として日本人のブログに書かれていることは知っている。でも今はやってない。ただ日本人と会話したいだけなんだ」

と。

 

 

じゃあなんで俺のことガヤに誘ったんだーーーーー!!!!!!!!!!!!

 

 

心の中で叫んだよ。そりゃもう実際に叫んでたらベンガル中に響く大きさで。

 

 

しかしここは知らないフリをして「そうか、そうか」と。

 

 

 

どこまでが嘘か本当かは分からない。

例え家族を養うためであっても、お金を騙し取ることは悪いことだ。

 

でもその"悪い"って言うのは、被害者や傍観者の正義から見た場合だ。

 

彼にとっては、家族を守ること、自分が豊かになることの方がよっぽど正義かも知れない。

 

法に問われない限り、結局良し悪しは個人の倫理観でしか測ることは出来ない。

 

僕にとってインド兄さんは"ただの兄さん"だったし、彼にとっての僕は金ヅルにならなかった"ただの若者"だったと思う。

 

でももし何かしらの被害にあってたのなら間違いなく彼と、甘すぎる自分を恨んだだろう。

 

この人は僕にとって何者なのだろうか…。

 

 

 

そんな事をぼんやり考えていると

 

ベチャ

 

不快な音が僕の頭上に乗っかった。

 

カラスの糞だ…。

 

すると彼はすかさず自らの手でそれを拭い、売店で水を買ってきて僕の髪を洗ってくれたのである。

 

 

その瞬間、僕にとって彼はとびきりのいい奴になった。

こんな事をとっさにできるだろうか。僕なら爆笑しながらストーリーに投稿するだろう。

 

 

ますます分からなくなる。

人を疑うきっかけとは、信じるきっかけとは、案外些細な事柄なのかも知れない。

 

 

 

知らんけど。

 

 

ま!金銭的に余裕のある旅行者という立場上、どこの国に行ってもお金目当てでつるんで来る人はいると思うので皆さんお気をつけくださいませ。

 

僕は自分の中で現地の人と交流する時の3原則として

  • 1人で帰れない所には行かない
  • 連絡先を交換する
  • 相手と同じものしか口にしない

は守っているけれど、これだけで防げるわけでもない。一緒に写真を撮ったりもする。

やはり警戒と情報収集はするに越したことはない。

 

 

これから旅を重ねて、そういうスキルもどんどん身についていったらいいなと思います。

長くなりましたが、最後までどうもありがとうございました。

 

p.s.

それから兄さんとは毎日昼間にチャイを飲む仲になりましたとさ。 

 

てんてん。

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